【11月5日 AFP】映画「バットマン(Batman)」シリーズ最新作『The Dark Knight』で、バットマンが飛行機から香港(Hong Kong)のビクトリア湾(Victoria Harbour)に飛び降りるシーンがカットされることになりそうだ。水質汚染が進んでいる湾に飛び込むのは、大胆なスタントよりも命を危険にさらす可能性が大きいためだ。
同作は、2005年の前作『バットマン ビギンズ(Batman Begins)』に続くシリーズ最新作で、前作から引き続きクリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督がメガホンを取り、クリスチャン・ベイル(Christian Bale)が主演する。
問題のシーンは、バットマンが軍用機C-130 Herculesからビクトリア湾に飛び降り、水の中から竹を登って登場するという設定。
サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)紙によれば、同作のプロデューサーらはこのシーンの撮影を次週に予定しているが、湾の水質が悪いため、飛び込んだ出演者の健康に害を及ぼす危険があると考えている。
さらに匿名の情報筋によれば、海水を調べた結果サルモネラ菌や結核菌などが見つかったため撮影は中止となり、同場面は屋内での撮影に変更されることになったという。
香港の環境保護当局は、ビクトリア湾の水質が未処理の汚水のため泳ぐのに適していないことを認めている。
世界自然保護基金(WWF)香港支部のClarus Chu氏は、「バットマンはどんな悪党も倒せるのに、香港の水質は手に負えないでいる。問題はとても深刻だ。政府は緊急に対処しなければならない。香港は愚かなお笑い者にもなりかねない」と語っている。
同氏によると、香港の水質は近年改善されているが、現在も国際基準を下回っているという。「中国の主要都市でさえ、香港よりは上等な水質を保っている。香港の水質は国際基準を下回ったままだ。政府はビクトリア湾での競泳大会開催を考えていたようだが、それは単なる願望でしかない」
香港では劣悪な水質のほか、気汚染も進んでおり、香港の街には長期間もやがかかっている。原因は地元の発電所と近隣の珠江デルタ(Pearl River Delta)に建てられた工場の排気だとされている。
『The Dark Knight』にはベイルのほか、ヒース・レジャー(Heath Ledger)、マイケル・ケイン(Michael Caine)も出演している。公開は2008年の予定。(c)AFP

